最大手の東京海上日動の年収は30歳で1000万円超え。高年収で就活生からの人気が高い損保業界だが、過剰な営業が悪しき業界体質を作り「ビッグモーター問題」などに発展した。現在は高待遇だが、今後も安泰か?保険業界を20年以上取材してきた本誌記者が、大学生にビジネスモデルと業界ウラ話を徹底伝授。知識ゼロからわかる業界解説動画をお届けする。
ビッグモーター問題を生んだ
損保業界特有のゴリゴリな営業気質
高年収で常に就職人気ランキングの上位に位置する損保業界。最大手の東京海上の年収は35歳で1200万円超えと、安泰なイメージも強い。しかし今、損保業界は変革期を迎えている。熾烈な営業争いはビッグモーター問題の遠因となり、SOMPOホールディングスはトップの引責辞任にまで飛び火した。
損保の特徴は、商品の差別化がとにかく難しいこと。「1日自動車保険」などの新たな商品を開発しても、すぐに競合に真似されてしまうからだ。そのため、営業力の勝負になりやすく、自社保険を取り扱う代理店に対してモノが言いづらくなる。そうした損保業界の構造が、ビッグモーター問題につながった。
しかし、そうした業界の裏話を就活生が知る機会はほとんどない。なぜ、不正が起こってしまうのか?損保業界は変われるのか?業界を20年以上取材する本誌の超ベテラン記者が、大学生インターンに向けてわかりやすく解説する。
ベンチャー企業を経て、1999年ダイヤモンド社入社。書店・取次営業に従事し、06年週刊ダイヤモンド記者。保険・ノンバンク、電機、証券業界を担当し、14年に金融・マクロ経済担当の副編集長。弊誌の伝統「保険特集」は12年連続で担当中。保険特集の他に手がけた特集は「不動産投資の甘い罠」「ソニー消滅」「実家の大問題」など。カラオケ好き。愛犬はヨークシャテリア。