机に伏せる女学生写真はイメージです Photo:PIXTA

2024年、Forbes Japan「世界を救う希望」100人に選出された江森百花氏と川崎莉音氏が、地方女子の難関大学への進学問題について考察。2人によれば、保護者の「女の子」への偏見が女子学生の進学意欲を制限し、可能性を狭めているという。彼女たちの未来を広げるためにも、意識改革が必要だろう。※本稿は、江森百花・川崎莉音『なぜ地方女子は東大を目指さないのか』(光文社新書)の一部を抜粋・編集したものです。

保護者の偏見のせいで
進路が狭められている

 川崎の母校では、保護者の方が女子学生に対して難関大学に進学することを期待しない雰囲気がありました。

 実際、「女の子なんだから、そこまで良い大学に行く必要はないんじゃない?」「浪人しなくてもいいんじゃない?」といった保護者世代からの発言は、私たち自身もよく耳にしてきました。母校の同級生にも、「女の子はそこそこの大学に行った方が結婚しやすいと親に言われた」と、文転して女子大に進学した学生がいたことを思い出します。

 保護者がそのように考えていると、「浪人させない」「東京大学などの特定の大学に行くことを禁止する」など進路の選択肢がなくなるという帰結を招きます。

 それだけではなく、直接的な言葉でなくても、日頃から投げかけられる言葉から期待されていないことを感じ取り、もしくはそういうものだと思い込み、女子学生自身が難関大を目指さなくなることも考えられます。

 進路指導の先生が生徒に浪人を勧めても、本人が拒否するという事例をよく聞きますが、その中には保護者の影響があるケースも少なくないはずです。