そこで、私たちは「偏差値の高い大学に行くことは自分の目指す将来にとって有利だと思うか」という設問と、前述の「保護者からできるだけ偏差値の高い大学に行くことを期待されていると思うか」という設問の回答から、その関係を明らかにしようと試みました。
具体的には、保護者の期待度(5段階)ごとに、高校生の志望度の平均値を出し、保護者の期待度が上がることで偏差値の高い大学に行くことを有利に感じる度合いが上がるか、さらにそこに差があるといえるかどうかを調べました。
男女、地域関係なく、全ての学生のデータからこれらを検討した結果が、図表6-1です。学生が偏差値の高い大学へ行くことを有利に感じるかどうかは、保護者に期待されるかどうかに強く左右されていました。
つまり、学生は、保護者から偏差値の高い大学に行くことを期待されていると感じていればいるほど、自分自身も偏差値の高い大学へ行くことを有利に感じていることがわかったのです。
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調査結果をもとに、ここでは実際、保護者は地方の女子学生にどのようなことを期待し、どのような影響を与えているのか、取材に回答してくれた女子学生の例を取り上げて考察していきたいと思います。