Kさんは、兄2人と自分では異なる期待をされていた、と言います。

 Kさんの保護者は、兄2人には「家計を支える大黒柱、エリート」としての期待をしていたのに比べて、Kさんに対しては「従順で優しい、尽くす女性」像を期待していました。

 その根底には、「女性はこうあるべき」というジェンダーステレオタイプが見て取れます。

女の子なんだから
そこまで上を目指さなくても

 今回の定量調査で明らかになったのは、生徒自身が保護者から偏差値の高い大学へ行くことをどれだけ期待されていると感じているかに男女で違いがあるということです。

 そこで、定量調査では聞くことが叶わなかった実際の保護者の方の思いを、インタビューを通して聞いてみました。

 Tさんは、奈良県出身の東京大学2年生。彼女は、東大受験に関して保護者から強い反対を受けたと言います。

 Tさんの母親に話を聞いてみると、「なぜそこまで良い大学に行かないといけないのかがわからなかった」と言います。

 Tさんは塾の先生から「大阪大学は確実に受かるが、東京大学だと少しがんばらないと」と言われていたそうです。

 大阪大学ではなくて、東京大学を目指したいというTさんに対して、お母様は「大阪大学だって十分良い大学なのに、そこまでがんばる必要ないんじゃない?」と声をかけました。