「自分で考えてほしい」はリーダー失格
しかし現状の組織では、監督役のマネージャーが作戦を語っているケースは少なく、またメンバーにどのような「プレイ」をするべきか指示を出しているケースは非常に少ないです。
やるべきことが指示されないから、各自で頑張って案を考えます。ですが、毎回いいアクションプランを思いつくとは限りませんし、自分がよかれと思ってやったことで(勝手に動いたことで)トラブルになってしまうこともあります。
メンバー「何をしたらいいですか?」
リーダー「そんなこと自分で考えろ」
そんなやり取りが多くの職場内であります。新入社員はともかく、一般的にメンバーがすべきことをリーダーに聞くと怒られそうです。
繰り返しになりますが、サインは監督が出し、その指示されたアクションを確実にこなす、質を上げるために考えるのがメンバーの役割です。
監督からバントのサインが出たらバントをします(というか、しなければいけません)。そして、バントを成功させるために、守備の陣形を考慮し、自分で考えて、適切な方向にバントしてボールを転がします。
メンバーが自分で考えるのは、あくまでも「バントをする」という前提で、その範囲の中でよりうまくするためにどうしたらいいか、なのです。
試合中、何のサインも出さずに、チームが負けたらプレイヤーを叱り飛ばす監督がいたなら、即クビになります。
メンバーに「自分で考えろ」と言っていいのは、メンバーのアクションを明確に示したあとです。
そして、拙著『リーダーの言語化』で詳しく触れていますが、そのためにリーダーがまずしなければいけないのは、部下が「求められている成果」を出すために「今日、何をしなければいけないか」を明確に言語化し伝えることなのです。