「相対的貧困」の状態、あるいはそれに近い状態にある家庭の保護者たちからたびたびお話を聞いた。
まず子どもたちに食べさせ
自分は残りを食べる
あるシングルマザーの女性に月収を聞くと、手取りで15万円ほどだと教えてくださった。しかも、1年ごとの有期契約で雇用されており、来年以降も同様に仕事があるのか、まったく見通しがつかないという。
もし職を失ってしまったら、もし自分に何かあって収入が途絶えてしまったら、子どもたちの生活が立ちゆかなくなってしまう。そんな不安から、彼女は行政から支給されるひとり親家庭向けの手当には一切手を付けず、子どもたちが将来進学する際の費用として貯蓄に回しているそうだ。
別のシングルマザーの女性からは、こんなお話を聞かせていただいた。彼女には育ち盛りの子どもが2人いて、普段は外食をする余裕などまったくないが、子どもたちが好きなハンバーガー屋にだけは、時々3人で行くことがあるのだという。
そこでは、ハンバーガーとポテトとジュースのセットを1つだけ頼み、加えてハンバーガーを1つ単品で注文するそうだ。合計で1000円を超えないようにし、自分はハンバーガーにもポテトにも手をつけない。普段、自宅で夕食を食べる際も、まずは子どもたちに食べさせ、自分は子どもが食べ終わったあと、残ったものを口にしている。