【厚生白書の論旨】(一部抜粋)
「母親と子どもの過度の密着はむしろ弊害を生んでいる、との指摘も強い」。
「欧米の研究でも、母子関係のみの強調は見直され、父親やその他の育児者などの役割にも目が向けられている」。
「特定の者との間に『愛着』関係が発達することは大切である。しかし、この基本的信頼感は、乳幼児期に母親が常に子どもの側にいなければ形成されないというものではない」。
「保育所や地域社会などの支えも受けながら、多くの手と愛情の中で子どもを育はぐくむことができれば、それは母親が一人で孤立感の中で子育てするよりも子どもの健全発達にとって望ましい」。
「子育てに他人の手を借りずにすべてを自分でやり遂げるということだけが子育てにおける親の責任の果たし方ではない」。
昔から子どもは
「集団保育」が基本だった
ホモ・サピエンス(現生人類)の20万年に及ぶ長い歴史をみると、子どもは集団保育が基本であることがわかります。
京都大学の前総長で霊長類研究の第一人者、山極壽一教授は、人間は共同養育をするように進化してきた種であることをずっと昔から主張されています。