「行動が遅い子」の対応策
頭ごなしに注意するのは逆効果

 子どもがすぐに行動しないからといって頭ごなしに注意すると子どもが不安で固まってしまうので、特性に合わせた対応策を取ることが肝心です。

 たとえば、子どもにとって初めてのことや少し複雑なことを伝える場合は、できるだけゆっくりと丁寧に伝えることで、子ども側が行動の内容を理解する度合いがアップします。

 言葉で理解するのが苦手な子の場合は、ビジュアルで理解してもらうためにイラストなどで説明するのもいいでしょう。

「今日は体操着を学校に持っていってほしい」という日であれば体操着のイラストを目につく場所に貼ると、記憶にも残りやすくなります。

 また、行動に移れずにいる子どもの不安を減らしてあげるために、学校の先生にも保護者が把握している特性を事前に共有しておいてもらいましょう。保育園や幼稚園での様子や乳児期からの発達の様子なども伝えておくとなおいいです。

 特性を伝えておけば、学校で子どもが何をしていいのか理解していなさそうなときは声かけをお願いしたり、黒板などにやるべきことを書いてもらって子どもが状況を随時確認できる環境をつくったりしてもらうなど、子どもの不安を減らす工夫を導入してもらえるはずです。

P75イラストイラスト:(C)石玉サコ 拡大画像表示