CASE3「忘れ物が多い子」
問題は自律性?ワーキングメモリ?
忘れ物が多い子や整理整頓が苦手な子は多いもの。親が何度確認したり注意したりしても、なかなか改善されない場合は、自分で考えて行動する力である「自律性」がまだ身についていないことが原因かもしれません。
自律性が身についていない場合、準備や片付けが苦手だったり、忘れ物が多くなったりしがちです。
何をどう整理して持ってきたらいいのかが理解できていないので、「なんで忘れ物をしたの!」「なんで片付けられないの?」と親が聞いても、本人自身がなぜ忘れたのか、なぜ片付けられないのかを理解できていないことも多いのです。
また、もうひとつの要因として考えられるのが、ワーキングメモリの弱さです。ワーキングメモリは、別名「作業記憶」とも呼ばれる能力で、何かの作業の際に一時的に記憶する力です。
たとえば、人との会話を聞いて理解しながら次の会話の言葉を発したり、おつりの計算をしたり、文章を読みながらその内容を覚えて次の文章を読んだりするのも、ワーキングメモリが活用されます。
メモリの容量が少ないと、「部屋に何か取りに行っても忘れてしまう」「作業をしていても集中力が切れて別のことを始めてしまう」などの困りごとが発生しがちです。