サイディングは釘固定に要注意
屋根材は長期的な維持費が大事

 戸建て住宅の価格上昇率はマンションと比べて低く抑えられているのは、立地条件の違いによる部分が大きいが、住宅メーカーや工務店の企業努力も関係している。

 具体的には、使用する資材の見直しが行われているのだ。

 一見、資材をどんな風に変更したのかはわかりづらいが、長期的に見れば建物の性能や品質に悪影響を及ぼすケースもある。

 コストダウンの目的で資材の見直しが行われているかどうかは、建築会社によって異なる。そのため「このような材料を使用しているときは注意が必要だ」という感覚で、次の5つをチェックすることをおすすめする。

(1)サイディング(外壁材)

 サイディングの厚みは、価格や寿命に大きく影響する。現在の主流は14~18ミリメートル以上の厚みだが、14ミリメートル厚のサイディングを採用している場合は注意が必要だ。具体的には、15ミリメートル以上は金具固定だが、14ミリメートルは釘固定である。

 釘打ち工法は地震や強風でひび割れが生じやすく、作業中に釘周りが傷つく欠点がある。長期的には劣化しやすいため、釘打ち工法の採用は慎重に検討すべきポイントだ。

(2)屋根材

 屋根材の選択は、将来的なメンテナンス費用に大きく影響する。スレート瓦やアスファルトシングルは塗装や補修など定期的なメンテナンスが必要となる。その際、足場を組む必要があるため、陶器瓦や鋼板屋根と比べて費用がかさむ傾向にある。

 屋根は家全体を守る重要部分であるため、初期費用だけでなく、長期的な維持費も考慮して選ぶことが望ましい。