帰る時は
グラスやお皿はまとめておく

 楽しい歓談や食事が終わり、おいとまする時間が近づいてきました。客間をあとにする際には、少しだけ片づけの手伝いをしておきたいものです。

 他人の物も自分の物も大切にあつかうことが基本です。

 訪問先では特に、出された器やカトラリーを丁寧にあつかいたいもの。おいとまする際には、出された食器はテーブルの隅などにまとめておきます。

 器によっては重ねてしまうと傷がつくことや色が変わってしまうこともあるので、むやみに重ねず、とりまとめておくだけにしましょう。

 ごく親しい間柄ならば、片づけや洗い物を申し出るのもよいでしょう。

 そうした心づかいが相手の負担を減らすことにつながり、歓待への感謝の気持ちを伝えることもできるのです。

必要以上に
長居はしない

 話がはずみ、食事が進んだからといって、予定時間を延長してずるずると居続けることははばかられます。相手を思いやってほどよいタイミングでおいとまするのが、長く心地よい交流を続けていける秘訣でもあります。

 お茶だけなら1~2時間、食事の場合はデザートや水菓子が出てから30分程度でおいとまする旨を告げたいもの。もう少し話していたいというくらいで切りあげるのが、次の機会にもつながるものです。

歓待へのお礼は、
2~3日中に手紙やメールで

 自宅に客を招くにあたって、掃除やしつらえ、お茶菓子の用意など、それなりに時間をかけて準備を整えてくれたはず。それに対する感謝の気持ちを言葉にして送りましょう。

 必ずしも手紙でなくてもかまいません。メールや短いメッセージでもいいので、必ず2~3日中に伝えることが大切です。

 その時には、おいしかった物、楽しかった話題、美しかった絵など、心に残ったことを何かひとつでも具体的に挙げると、相手はとても喜ばれるはずです。

 訪問という機会を通して主客が心を通わせるのは、共に過ごした時間だけではありません。招待を受けてから始まり、訪問、そして、お礼を述べるまで続きます。

 この数日間、互いに相手のことを思いやり気づかい合うことで、親しさが増し、心に残る交流が重ねていけるのです。