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“落ちこぼれ”を出さない
女子美大付属の教育方針

 そういう意味でいうなら女子美大付属は面白いんじゃないですかね。この学校のユニークな点は「点数」に対する考え方が独特なんですよ。あそこは美術科の先生たちが「絵に0点はない」という意識を持っている。

 講師を含めると15人ぐらいの美術の先生がいるのですが、それぞれに評価するポイントが違います。つまり、同じ物差しで子どもを見ていないということです。

 普通の学校は、子どもたちをどうしても「成績」という物差しで見がちです。そうすると、「成績」が低い子はどうしても居場所が狭くなりがちです。

 でも、異なる評価軸を持つ先生が多数いれば、必ず誰かの目に留まります。「○○先生だけは自分をちゃんと見てくれている」という人がひとりでもいることが大事なんです。

――誰かひとりの先生でいいから、自分をきちんと見てくれていると実感できたら、学校生活も違いますよね。以前、ある学校で素行の悪い生徒がいたんですが、ひとりの先生だけが「俺はお前を信じてるから」と言い続けていたそうです。その子は高3でガラリと変わって、第1志望の大学に合格。その先生に泣きながら御礼の報告をしたと聞いています。

 そういう話はいいですね。進学実績だけを追い求める学校だと、同じ物差しで教育をしがちなので、評価対象から外れてしまった子は疎外感を持ちます。その子にとっては学校がつまらない場所になるでしょう。

校長の「人脈」が
生徒の学びに大きく影響する

――校長先生を見るべきポイントとしては、他にもありますか?

 校長の持っているネットワークですね。

 昔みたいに学校の中だけで事が完結する時代は終わりました。外と連携しないとやれないケースがたくさんあります。

 例えば、昭和女子大附属は中1から情報教育を始めているのですが、企業からシステムエンジニアを2名、情報の教員として常勤で採用しています。