謝罪の際には
自筆の手紙で心からの謝意を

 通信手段については、柔軟に使いこなすことをおすすめしましたが、こと謝罪の意を伝えるとなると、手紙が最適の手段であると思います。

 本来は、すぐに相手先に謝罪に伺うことが望ましいのですが、それができない場合は、まず自筆の手紙を送りましょう。

 内容は、第一に迷惑や負担をかけたことへのお詫びの言葉、わかっていればミスの原因、責任を自覚していること、今後の解決策と改善策など。原因や解決策がまだ判明していない場合でも、お詫びの言葉だけでもすぐに伝えたいものです。

ピンチは人間力を
上げるチャンス

 よく「ピンチをチャンスに変える」という言葉を耳にします。ビジネスだけでなくスポーツシーンでもよく口にされています。

 これは、失敗がもとで窮地に陥り、成果が出ずに苦しい状況にあるところから、その経験を教訓にし、事態を好転させ、成功へとつなげていくことです。

 こんな言葉を知ってはいても、本当にピンチに陥った時には「これを機に」といったポジティブな発想はおいそれとは浮かんではこないでしょう。しかし、真面目に精一杯問題の対処にあたり、心を込めて対策を講じ、改善策を提示できれば、その行動、態度を見ていてくれる人はきっといます。

 それが、迷惑をかけた取引先の人であることもままあることです。

 失敗をおかした人がその後どのように対処していくかは、人間性が大きく表れるところ。思っているよりも多くの注目が集まっており、実際にその時の高評価がより大きなビジネスチャンスにつながることは、少なくないのです。

飲みニケーション=
人間どうしのつきあい

 上司から飲み会に誘われたらどうするか、あるいは、部下を退社後に飲食に誘ってもいいのか、といった問題は、各世代が抱える現代の悩みかもしれません。飲み会に参加しなければ評価を下げられるのではないかといった懸念や、仕事の話もするのだから残業あつかいにならないのはおかしいという不満など、それぞれの立場で相手がどのように感じているかを考慮しなければならず、そんなにめんどうならもう行く必要はないと思う人も多いのではないでしょうか。

 実際に飲み会に行くか行かないかは、相手の考え方やプライベートの事情、互いの関係性によって決めればいいことですが、それはつまり、人間どうしの信頼関係につながっているのではないかと思います。

 上司であろうが同僚であろうが、あるいは取引先の人であろうが、相手に対する好意があり、人として尊敬できる部分があれば、飲食を共にしながらゆっくり話をする機会は楽しいものです。

 飲食に誘うか誘わないか、断るか受けるかという問題よりも前に、まずは一対一の信頼関係を構築することを大切にすれば、円滑なコミュニケーションがはかれるようになり、親密な関係に発展することもあるのではないでしょうか。