対立する政党であろうとも
敬意を持って話せる相手をつくれ

《引退から7年たった今も、政界関係者らの面会依頼は絶えない》

書影『一片冰心 谷垣禎一回顧録』(扶桑社)『一片冰心 谷垣禎一回顧録』(扶桑社)
谷垣禎一 著、水内茂幸・豊田真由美 聞き手

 現役の政治家や閣僚のころ一緒に働いた官僚たちが時々、訪ねてきてくれるんです。私がかつてやっていたこととか、それを踏まえて今どうみているかとか、そういったことは聞かれたら答えるようにしています。ただ、今の政治のトピックスに関しては、あんまりOBが口を出すものじゃない。現役の人たちがやるべき仕事ですからね。

 後輩議員には、党派が違っても敬意を表することのできるカウンターパートを得てほしいと思います。私にとって野田佳彦元首相がそうだったようにね。

 米国では民主党と共和党の対立が激化し、韓国でも肝心なときに保守と革新が対立しています。そういうのを見ていると、立場の違う相手を罵倒し誹謗するだけじゃなくて、何か協力し合うこともないと、いざというときに国の選択を誤ることにもつながりかねないという気がするんです。

 もちろん、なあなあではいけないし、国対政治がいいとはいいませんが。