二分される“八王子系”
八王子市には八つの中高一貫校がある。その中で一番難度が高いのは、東京都立南多摩中等教育学校だろう。「京王八王子」駅から徒歩3分と際立って通いやすく、24年実倍率は3.69倍だった。以下、おおよそ難度順に見ていこう。
明治大学付属八王子には、「八王子」「拝島」駅から専用バスで通うことになる。八王子市内では際立って倍率が高いが、志望者数も2割前後増えており、25年はさらにハートルが上がりそうだ。4科のA方式は[1日1回]と[3日2回]があり、24年の受験者数は449人と367人、実倍率は3.12倍(23年2.62倍、22年2.85倍)と6.44倍(23年6.85倍、22年5.92倍)だった。[5日B]は4科総合型で、239人が受けて7.47倍(23年10.85倍、22年10.5倍)となっている。
帝京大学も最寄り駅からバス乗車が必要で、スクールバスはJR中央線「豊田」、京王本線「平山城址公園」、京王・小田急「多摩センター」の各駅から出ている。[1日一回]は24年に145人が受けて実倍率は2.04倍だった。[2日二回]は入学金と設備充実費ならびに6年間の授業料・維持費が免除される特待生も4科受験生から15人をメドに選抜されるが、153人が受験して2.07倍(23年2.06倍、22年2.27倍)と競争状況はあまり変わりがない。[3日三回]は2科で、161人が受けて2.44倍(23年2.88倍、22年3.11倍)だった。志望者数は1回が2割強増、2回が微増、3回が2割増で、25年は22年の水準を目指すことになりそうだ。
八王子学園八王子は市内の私立校には珍しく、JR中央線「西八王子」駅から見えるほど近い。入試は東大・医進と特進の二つのクラスに分けられ、それぞれ35人と70人を募集する。24年に67人が受験して実倍率2.58倍だった[3日午後特進クラス]以外の四つの入試回はいずれも「東大・医進クラス」入試であり、特進クラスへのスライド合格がある。
24年に371人と最多の受験生が集まった[1日〈午前〉]には2科・4科と適性検査型がある。実倍率は1.39倍(23年1.28倍、22年1.2倍)だが、少ないながらも志望者数は2.5倍増で、25年には1倍台後半にはなりそうだ。ちなみに、24年合格者266人のうち、191人が特進クラスへのスライド合格だった。
2科の[1日午後〈午後〉]と[2日午後〈午後〉]、適性検査型の[2日〈午前〉]を比較してみよう。前者が受験者数128人と63人で実倍率2.1倍と2.63倍だったのに対して、後者は118人受験で1.82倍だった。志望者数は1割強増と4割半増、6割増となっており、どの入試回も25年には2倍台半ばから後半を目指す動きとなりそうだ。