それができないと、自分が付けた一次考課点を査定会議で通せないとか、人事異動や昇進審議の調整がうまくできなくなってしまう。
強みを伝えたら、その次にマネジャーがなすべきことは明確である。
マネジャーがすべきこと(2)
強みを活かせる仕事にアサインする
ジョブ・アサインメントのひとつに[最適マッチング]がある。そのメンバーが強みを活かして成果を上げてくれそうな仕事で、他のメンバーに頼むよりもよさそうな仕事を意図的にアサインする。これは業績を高めることに直結するので、キャリア支援以前の問題として、マネジャーとしてはぜひやりたいことである。
任せる時には「あなたには○○という強みがあるから、それを活かして頑張ってくださいね。大いに期待していますよ」との言葉を添えれば、気持ちよく意欲を持ってその仕事に向き合ってくれるだろう。
マネジャーがすべきこと(3)
相互に弱みを補完できるチームづくり
次のステップで考えたいことはチームづくりである。メンバーそれぞれに異なる強みと弱みがあるのならば、Aさんの弱みはBさんの強み、Bさんの弱みはCさんの強みとなるような補完関係を見つけ出して、チームづくりに役立ててほしい。
ひとりでは成し遂げられないことを成し遂げるために組織があるので、強みが異なる多様な人々がひとつのテーマを共有し、役割を分担しながら、大きな成果を上げていく姿は美しいものだ。
大事なポイントは、自分が苦手にしていることを得意にしている人に敬意を払うこと。もちろんマネジャー自身も例外ではない。これさえできれば、弱みの部分は助けてもらいながら強み部分で貢献し、業績を上げることができる。
マネジャーがすべきこと(4)
対話で次のステージへのアイデア提供
メンバーが自分の強みを認知し、強みを活かして貢献できるようになったら、評価フィードバックやキャリア面談などの機会を使って、「強みに磨きをかけて、より大きな仕事に向かうイメージをしてみないか」と問いかけてみたい。マネジャーとして、たとえば……というようにアイデアを提供してあげるのもよいだろう。いくつか例を挙げてみよう。
・意見が異なる人の調整をしてまとめ上げることがうまいので、組織横断プロジェクトのリーダーをやってみてはどうか