総予測2025#82Photo:123RF

米大統領にドナルド・トランプ氏が返り咲くことになり、2025年の世界のエネルギー情勢は混とんとしている。次世代エネルギー関連の投資を米国で検討する日本の大手エネルギー会社に影響はあるのか。特集『総予測2025』の本稿では、この影響を探るとともに、業界再編の呼び水となるかもしれない。国内電力業界で動き出す「ある仕掛け」を追う。(ダイヤモンド編集部 土本匡孝)

米投資の起爆剤だったインフレ抑制法
トランプ大統領の再就任で影響は?

 米国でトランプ氏が再び大統領に就任する。これにより各分野で大きな方向転換があり、超大国の判断に、世界のエネルギー情勢も振り回される。

 米国のエネルギー政策に関して本稿執筆時点で可能性が高いのは、インフレ抑制法(IRA)の未使用予算の取り消し、化石燃料の増産、温室効果ガス削減に関する世界的な取り決め「パリ協定」からの離脱などだ。

 特にIRAは米国における次世代エネルギー等への投資の起爆剤となっており、日本のエネルギー大手も気が気ではないようだ。例えば東京ガス、大阪ガス、東邦ガス、三菱商事がe-メタン、JERAがアンモニア、出光興産、三菱商事が水素とアンモニアで投資を検討しており、いずれも2025年ごろを投資判断時期としていた。

IRAの行く末と日本のエネルギー大手の対応はどうなるか。そして国内電力業界で25年に動き出し、業界再編の呼び水となるかもしれない「ある仕掛け」とは?次ページで明らかにする。