料金は手頃、使い道はいろいろ

 料金は車種(ワゴン車、小型トラック、大型トラック)、距離より設定され、地域によっても異なる。コロナ前の話にはなるが、筆者もLalamoveを使った引っ越しを伝ったことがある。団地から団地までトラックで荷物を運んでもらったのだが、専門業者と比べてかなり安価だった記憶がある。

「ちょっと(あるいは急いで)モノを運んでほしい」というニーズは結構あるもので、買ったモノが多すぎて運べないとか、バッテリー切れで動かなくなった電動スクーターを動かしてほしいとか、さまざまな場面で手頃な価格で利用できる。

荷物に不備がないかAIを導入荷物に不備がないかAIを導入 Photo:Lalamove

 ドライバーが荷物の積み込みを待機する場合、システム提示価格に追加料金が発生することがある。例えば30元の基本料金に、積み込み作業で10元が追加されるケースだ。この追加料金はLalamoveが認めている慣行だが、ニーズに合わせてサービスを拡充したこともあり、最近ではシステム提示価格以上を支払わない傾向が強まっている。

サービスの多様化とイメージ戦略

 昨今の中国でのライフスタイルの変化を受け、Lalamoveはさまざまなサービスを拡充している。引っ越しサービスもその一つだ。引っ越しサービスの中にも種類があり、梱包から丁寧に行うという、日式(日本式)サービスも選べるようになっている。近年、中国でも日本式引っ越しサービスが登場したので、それに追随するようにサービスを拡充したわけだ。またコロナ禍と非婚化でペットを飼う若者が増えてきたこともあってか、ペット配送サービスも登場した。さらには、中国各地で屋外での運動イベントが増えたことを受け、マラソン大会においてマラソンの出発時点で荷物を預かりゴールまでまとめて運ぶサービスや、ロードレースで途中リタイアした人のために自転車を運ぶサービスなども提供している。

日本式引っ越しサービスを導入日本式引っ越しサービスを導入 Photo:Lalamove

 また、農村や企業向けに、BtoBというべきサービスも展開している。農村向けではこんな話がある。中国東北部は農業が活発で、北海道以上の厳しい寒さとなる冬が来る前に野菜の収穫を行う。これまでは収穫時期のたびに市場の配送担当役がドライバーと配送車両をコネで集めて各地に野菜を出荷していたが、これがLalamoveが入ることで大きく変わった。車両とドライバーを集める手間が減ったこともそうだが、収穫量に合わせてワゴン車からトラックまでさまざまなサイズの車が対応しているのが大きいという。企業向けサービスは、企業と提携して、倉庫間など特定の地点間の配送をLalamoveが行うというもの。企業の物流コストを抑えることができる。