男女枠を外した「市川」の行方は?
四模試の志望状況を見ていると、ようやくコロナ禍以前の水準に戻りそうで、千葉の私立校には“全治5年”のパンデミックだった。20日から28日まで各校の入試が設定されているが、各日の主役が明確で、併願先は選びやすいだろう。
1月20日は千葉の入試解禁日である。2024年に最多の862人(男子は1675人)が受けて2.99倍(男子は2.25倍)だったAランクの市川[1回]の女子の志望者数は、9月の微減から10月には1割強減と緩和傾向にある。これまで男子180人と女子100人だった募集定員を、25年は男女280人と変更した。これを機に女子上位層の志願者が増えるようになると、渋谷教育学園幕張と並ぶ千葉私立共学校のツートップへの道が開けるかもしれないのだが、この年末年始で女子受験生は増えるのだろうか。出願締め切りは1月16日15時となっている。
この日、県内で2番目に多くの女子受験生を集めるのがFランクの和洋国府台女子[一般]で、24年は677人が受験して1.3倍(23年1.23倍)だった。志望者数は9月の1割半増から10月は微増になっている。次いで、Dランクの専修大学松戸[1回]で、24年は536人が受験して2.36倍(23年2.49倍)だった。男子の志望者数は微減傾向にあるが、女子は微増傾向を維持している。
受験者数が100人台の入試を見ていこう。午後ではよくある1科入試を初回の午前に設けたEランクの昭和学院[国語1科]は、147人が受けて2.67倍(23年3.14倍)とその受けやすさで高倍率となっているが、志望者数は9月の2割強増から10月はほぼ前年並みに落ち着いている。Fランクの東海大学付属浦安[A]は、193人(男子は364人)で2.22倍(23年1.75倍)だったが、9月の微減から10月は1割半減と志望者数が減退しており、25年は2倍程度になるかもしれない。
Gランクでは、188人が受験した光英VERITAS[1回]が1.42倍(23年1.49倍)と千葉にしては低めのハードルなのだが、志望者数は2割強減から2割弱減と、25年はさらに受けやすく受かりやすい状況になりそうだ。千葉明徳[適性検査型]では本校最多の159人が受けて1.06倍とこちらも受かりやすい。
20日午後は、Aランク(男子はBランク)の昭和学院秀英[午後特別]の人気が高い。24年に326人が受けて4.94倍(23年4.73倍)と狭き門だが、志望者数は1割半減で、さすがにいささかその高倍率が敬遠されているようだ。Eランクの昭和学院[算数1科]は134人が受けて3.12倍(23年3.24倍)と男子に比べてだいぶ高倍率だが、志望者数は9月の1割半増から10月には3割半増へと積み増しており、25年には3倍台半ばに迫る人気となりそうだ。