また、特に自営業の方は収入が決まっているわけではないので、「もっと本気を出せば、これからどんどん年収はアップする」という気持ちになっているところが多いように思います。もちろん収入が上がる可能性も十分あるのですが、一方で今より下がる可能性も十分あり得るのです。ですが、下がることはあまり考えていないようです。
結果的に収入が増えた場合ばかり考えて、支出をなおざりにしている面があります。「収入がもっと増えたら」「これがうまくいったら」など、「希望的観測」で収支計算をするケースが多いのです。
ですが、実際には自営業の方の収入には波があることが多いですから、毎月一定のお給料をもらっている会社員の方よりも収支計算をきちんとしておかないと家計のお金に狂いが生じることが多いです。
しかも、お子さんが今後成長するにつれて、さらにお金がかかってきます。中学受験を予定していたら塾代が加算されてくるでしょうし、成長期になれば明白です。
「もっと収入が増えたら」「これから稼げれば」などの「たられば」ではなく、「現状」の数字をもとに、家計を考えていきましょう。
パワーカップルなのに
支出が削れず赤字続き
家計相談にいらっしゃる方の多くは、平均以上の収入があります。いわゆる稼いでいる人たちです。共働きで「パワーカップル」と呼ばれるように2馬力でバリバリ収入を得ている家庭もあります。「これだけ稼いでいたら、お金は貯まるのでは?」と思うほどの収入があるにもかかわらず、なぜか家計は赤字。支出も派手です(笑)。
私たちのところに家計相談に来た方にまず見せていただくのが、ここ数カ月の家計簿です。まず月ごとの収支を見せていただき、そこから削れそうだなと思える項目、平均にくらべて支出が多めの項目をチェックし、その中から「削れないか?」「削れるとしたらどの程度削れるか?」を見ていきます。
標準にくらべて高いと感じる項目には赤い丸をつけ、その支出を削れるか?削れないか?を一緒に見ながら青で書き込んでいきます。この1回目の相談で、「貯められる人か?貯められない人か?」はよくわかります。
貯められない人に多いのが、赤丸はいっぱいついているのに、青いマークが全然つかないというパターンです。