23年有吉弘行、20年大泉洋
ハプニング性も綿密に狙った!?
23年、有吉弘行が初司会で登場すると、あたふたして楽屋から靴を履かずに靴下姿で走って出てきたり、20年、大泉洋が盛り上げようと頑張り過ぎて、ときに出演歌手より目立ってしまったり、百戦錬磨の勇士である彼らがどこか浮足立って見えるなんてこともあった。
それはもしかしたら、女性司会がしっかりした分、有吉や大泉があえて笑いどころを作っていたとも考えられる。誰もがテキパキして計画どおりに進行したら堅苦しいし、たまには抜けもほしいと、『紅白』はハプニング性も綿密に狙って作っているのかもしれない。
思えば、23年、浜辺と橋本がふたりで司会をしたとき、ふたりとも隙がないくらい安定の司会だったのだが、唯一、「ディズニー100周年スペシャルメドレー」のコーナーで『白雪姫』の『いつか王子さまが』をデュエットしたときだけは、ちょっとおぼつかない様子だったのも『紅白』の見事な演出だったりして。さすが歴史を誇る巨大エンターテインメントショーである。
24年の暮れは、伊藤沙莉と橋本環奈がどんなふうに力を合わせて『紅白』を盛り上げるだろうか。伊藤沙莉も子役から叩き上げてきたしっかり者の印象で、さらにお笑い芸人のオズワルド伊藤俊介を兄に持つだけあり、笑いのセンスは抜群だ。2度目の有吉弘行と橋本環奈の3人(もうひとり局アナの鈴木奈穂子もいる)で、笑いの分量が増えることを期待する。
以上、このコラムでは女性司会、主に朝ドラヒロイン俳優を紹介したが、大河ドラマ編、『紅白』男性司会編、総合司会編など『紅白』はまだまだ語ることが多い。