筆者のApple Vision Pro利用環境

 時は流れて、今、この原稿もApple Vision Pro上のPagesアプリで書いているが、実のところ筆者にとっても、Apple Vision Proを長時間使える装備が整ったのは、つい最近のことだ。Apple Vision Proは、重さに関してはさほど気にならないが、バランス的にフロントヘビーなため、よくできている純正ストラップを使っても外光を防ぐライトシールドのクッション部分が頬に食い込みがちで、不快感につながる。

 ムービー鑑賞などではライトシールドがあるほうが没入感を得られるものの、原稿執筆などの日常的な作業は周囲が見えても特に問題はない。ライトシールドを外すことで、そのような食い込みはなくなるのだが、Apple Vision Proを顔から離れた状態で支えるには、頭頂部で保持する仕組みが必要となり、付属する2種類のストラップでは用が足りないのである。

 そこで自作の3Dプリントパーツや市販の代替サポート製品なども試してみたが、なかなか完全にフィットするものがなかった。頭の形状は人によって千差万別なので、この点はApple Vision Proのみならず、既存のVRヘッドセットや、これから出てくるヘッドセットタイプの空間コンピューティングデバイスにも共通する課題となるだろう。

 現時点で個人的にベストといえるソリューションは、ANNAPROのPressure-Reducing Comfort Head Strap 2という製品だ。これは、ハードなフレームと複数の厚みから選べるソフトなクッションの組み合わせによって額寄りの頭頂部を支える構造になっており、ライトシールドを付けていても頬に重みがかかりにくく、ライトシールドなしでも安定して利用できる。しかし、付属のクッションはどれも左右の端の厚みがありすぎ、長時間の利用では頭皮が圧迫されて痛くなってくる。そこで、中央部分だけのクッションを自作して、ようやく長時間にわたり不快な思いをせずに利用できる最適解に辿り着いたのである。

純正のヘッドバンドと組み合わせて使用するANNAPROのPressure-Reducing Comfort Head Strap 2。シンプルだが巧妙な設計、かつ同シリーズの2代目のモデル(ゆえに2が付く)だけあって、少しの工夫で筆者にベストフィットした純正のヘッドバンドと組み合わせて使用するANNAPROのPressure-Reducing Comfort Head Strap 2。シンプルだが巧妙な設計、かつ同シリーズの2代目のモデル(ゆえに2が付く)だけあって、少しの工夫で筆者にベストフィットした
拡大画像表示

 

APVとMacBook Proとの組み合わせではもちろんMac内蔵のキーボードとトラックパッドを使うが、APV単体で長めの文章をタイプする場合には、このSeendaというブランドの折りたたみ式キーボードを利用している。右端のトラックパッドのようなポインティングデバイスもvisionOS 2.xからサポートされたApple Vision ProとMacBook Proとの組み合わせではもちろんMac内蔵のキーボードとトラックパッドを使うが、Apple Vision Pro単体で長めの文章をタイプする場合には、写真のSeendaというブランドの折りたたみ式キーボードを利用している。右端のトラックパッドのようなポインティングデバイスもvisionOS 2.xからサポートされた