JALと資生堂パーラーのコラボメニューJALと資生堂パーラーのコラボメニュー

逆張りの時代:差別化のため充実にシフトも

 低運賃のエコノミークラスでは簡素化の流れがある一方で、高単価で収益率が高いビジネスクラスやファーストクラスにおいては、各社が競って趣向を凝らしたメニュー開発に勤しむようになった。ミシュランの星付きシェフが監修したフルコースが典型例だ。

 また、これも他社と差別化するため、エコノミークラスにおいても選択できるメニューの種類を増やしたり、有償でビジネスクラス以上の機内食を注文できるようにしたりなど、サービスの幅を広げるエアラインも出てきている。

 例えばエミレーツ航空では、誕生日の乗客限定で、ドバイ発路線でシャンパンとケーキのサービスを43米ドルで提供している。これは、エコノミークラスでも予約可能だ。

 あるいはJALでは、中国路線のエコノミークラスで、「資生堂パーラー」とコラボレーションした機内食を期間限定で提供するなど、インバウンド客を狙った施策を打っている。

 こうした逆張り戦略は、古くから需要のある長距離路線(欧州~豪州路線など)に後発で参入した中東の航空会社(エミレーツやカタール航空など)で見られる。また、顧客のサービス要求が高いANAやJALの国際線もその傾向がある。

 航空各社の競争環境に応じて、機内食の立ち位置も変化していると言えるだろう。