「バキ童チャンネル」ぐんぴぃも購入

 ゲームクリエイターの横尾太郎氏、イラストレーターのあきまん氏、映画監督の入江悠氏らクリエイターがX上で購入したと投稿したほか、YouTubeチャンネル「バキ童チャンネル」で知られる、お笑い芸人「春とヒコーキ」のぐんぴぃがXで物語要素事典を探し求め、書店を回る様子を投稿している。

「大部の書籍ですので、愛蔵版としての購入や図書館への配本などを中心に想定していたのですが、実際発売されるとはるかにそれ以上の広がりがありました」

「小説、シナリオ、ゲーム、漫画などに関わるクリエイターの方々には超実用的な座右の書としてご使用いただいていますし、また書物や物語を愛する方々が手元に置いて、時間をかけて少しずつ味読したくなるような佇まいにできたこともよかったと思っています。この出版不況の中で、重厚なつくりの本が売れているという現象自体の面白さにも、各所から注目が集まっています」(河野さん)

2万8600円の「鈍器本」がアマゾン100位内の衝撃!SNSに絶賛の声「すごい辞典」「国書刊行会ヤバイ」神山重彦著『物語要素事典』(国書刊行会) Photo by Tatsunori Tokushige

 近年苦境が続く書店業界からも大きな反響があった。

「書店さんでは重要な本の発注が足らずに売り切れを発生させてしまうことを“売り切らし”と呼ぶそうなのですが、神保町の書泉グランデさんでは何度入荷しても“売り切らし”となってしまう状況を大変ユーモラスにSNSで紹介いただきました」

「また新宿の紀伊國屋書店さんではこの巨大な本をタワーのように陳列してくださったのですが、それも瞬く間に完売となりました。小社の営業担当からも『書店の皆さんがものすごく喜んでますよ』と伺っています。ちょっとした社会現象、出版界の事件のような様相となっていて、刊行以来あちこちで祝祭感が立ち込めているのが嬉しいです」