練習問題にチャレンジ!
ちょっと計算してみましょう。たとえば、1本1000円のワインの仕入れ代(変動費)が700円で、人件費と家賃が合計20万円だとすると損益分岐点売上高はいくらでしょうか(変動費は仕入れ代のみで、そのほかの細かい変動費はここでは考えません)。
ワイン1本を販売したときの利益は300円です。そして、固定費(人件費・家賃)20万円までの利益を得るためには、何本のワインを売ればいいか?
その必要な販売本数と損益分岐点売上高を算出してみましょう。
1本1000円 × 666本 = 損益分岐点売上高66万6000円
損益分岐点は?
損益分岐点はワイン666本を売ったときであり、そのときの損益分岐点売上高は66万6000円。667本目が売れたときに、その損益分岐点を超えることになります。
損益分岐点を超えた667本目が売れたときの売上高は66万7000円で、このときの仕入れ代(変動費)は46万6900円になるので、差し引くと20万100円。この瞬間から固定費(人件費・家賃)20万円との差額となる利益100円が出ます。
また、1本1000円のワインの仕入れ代(変動費)は700円なので、原価(変動費)率は70%となります。
損益分岐点売上高は?
この変動費率がわかれば、次の計算式で「損益分岐点売上高」が求められます。
この場合の損益分岐点売上高は、「固定費(人件費・家賃)20万円÷( 1 -70%)=66万6000円」となるわけです。
❸限界利益
そして、最後に知っておきたいのが、「限界利益」です。これを知っておくことで、いくら売り上げれば、目指す利益が得られるのかがわかります。
私も事業をスタートしたばかりのころは「月100万円くらい売れればいいかも?」などと、漠然と考えていました。
しかし、のちに限界利益から導いた数字で算出してみると、月100万円の売上高から固定費や変動費を差し引くと、自分の目指していた生活レベルを維持できる金額にはならないことがわかったのです。
限界利益は?
また、限界利益を算出して、自分が望む利益が出ているとわかれば、進んでいる方向が間違っていないと確信できます。その限界利益は、次の計算式で求められます。
このように限界利益とは、売上高から変動費を差し引いたものです。限界利益には固定費(人件費・家賃など)と利益が含まれているということです。
たとえば、売上高100万円で変動費50万円の場合、限界利益は50万円です。売上高から仕入れ代や商品発送用のダンボール、配送料、決済手数料などの変動費を差し引いた金額が、限界利益として算出されます。
副業として「好き」を商品にしている場合、もしかしたら、この利益(限界利益)がほしい収入の金額となるかもしれません。