親切心から声をかけたりアドバイスしたりしたのに、攻撃的な反応を受けるのは、とんだとばっちりだが、実は向こうも被害者意識を抱いているのである。そこを理解しておく必要がある。
向こうも被害者意識を持っているわけだから、そのようなタイプの人にこちらの真意を説明して理解してもらおうとしても、言い訳としか受け止めてもらえず、徒労に終わりかねない。
うまく関わるために大切なのは、相手を変えようと思うのではなく、相手の心理を理解した上で、自分の気持ちの持ち方を変えようとすることである。
歪んだ解釈をするのは、自信がなくて不安だから
向こうが歪んだ解釈をするのは、「見下されるのではないか」「バカにされるのではないか」といった不安を抱えているからだ。つまり、何かと攻撃的な反応を示す人は、本当のところ自信がなく、見下され不安を抱えている人なのである。不安だからこそ、ちょっとしたことで被害者意識が刺激されてしまうのだ。
ちょっとしたことにもすぐに「パワハラだ!」と騒ぎ立てるような場合も、見下され不安による敵意帰属バイアスが働いていることが多いものである。
こちらには何の悪意も敵意もなく、むしろ好意や親切心から口にした言葉にも反発されるのは心外だし、腹立たしいものだ。でも、その背後にある心理メカニズムが分かれば、少しは気持ちも楽になり、余裕を持って対処できるはずだ。
自分の好意を曲解され、攻撃的な反応を受けて、ムカついてしまった相手に対しても、「きっと自信がなくて不安なんだな」と思えば、同情心さえ湧いてきて、怒りも収まり、冷静に対処できるようになるのではないか。ポイントは、相手を変えようとするのではなく、相手の心理メカニズムを理解した上で、こちらの気持ちの持ち方を変えること。それによって歪んだ攻撃性を向けてくる人物に心を乱されることもなくなるはずだ。