記憶障害のサポートとしては、音声アシスタントとリマインダー機能があります。AIを搭載した音声アシスタントは、日常生活の中で重要な用事を思い出させるリマインダーとして機能します。
例えば、毎日朝の9時と18時に薬を服用しなければならない場合、その時間になるとAIスピーカーが「お薬を飲む時間です」などと語りかけてくれます。また、あらかじめスケジュールを入力しておく(これも話しかけるだけでできます)ことで、来客や通院など重要な予定を事前にアナウンスしてくれるなど、記憶障害を持つ人たちをしっかりサポートしてくれます。
言語障害でも意思疎通が叶う
チャットボットや翻訳アプリ
失見当識でのサポートもあります。失見当識とは、自分の置かれている時間や場所、状況、人物などを認識できない状態を指し、認知症の症状として知られています。
例えば大型ショッピングモールに行った際、フロアマップを見ながら行きたいテナントの場所を見つけて向かうのですが、ここで迷ってしまうのです(これは失見当識に限らず、多くの方も経験があるかもしれません)。駐車場もかなり広く、しかも至る所に車が停められているため、自分が車をどこに停めたのか、わからなくなってしまいます。
しかし、位置情報サービスAIを活用したナビゲーションアプリにより、スマホやタブレットの画面を見ながら目的の場所まで簡単にたどり着けますし、音声案内もあるのでハードルは低いでしょう。
これはシニアに限りませんが、方向感覚に障害がある人々に対して、目的地までの道順をわかりやすく案内します。これにより、失見当識のある人々が安全に移動できるようになります。
言語能力の低下のサポートも期待できます。AIが持つ自然言語処理技術は、言語能力が低下した人たちに対して、コミュニケーションを円滑にするためのツールとして利用されます。
例えば、チャットボットや翻訳アプリは、異なる言語間のコミュニケーションを支援し、言語障害を持つ人々が他者と効果的に意思疎通できるようにします。
これらの技術は日に日に進化しており、さらに使いやすくなる機能が増えていくでしょう。どんどん進化する日常生活で使えるAIの技術は、認知機能の低下に対する補助的な役割を果たし、日常生活の質を向上させることが期待されているのです。