首都圏マンションが高すぎる!「平均価格8000万円」が値崩れするタイミングとは【専門家が解説】写真はイメージです Photo:PIXTA

都心部の新築マンション価格が高騰し続け、一般家庭では手が届きにくい価格にまでなっている。金利引き上げなどの影響で、マンション価格は今後どのように変化していくのか。『なぜマンションは高騰しているのか』(祥伝社新書)の著者の牧野知弘氏に話を聞いた。(清談社 吉岡 暁)

マンション価格高騰の背景は
コストの増加と購入層の変化

「不動産経済研究所」によると、2024年4月から9月までの上半期に首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県)で発売された新築マンションの1戸当たりの平均価格は、前年の同じ時期に比べて1.5%上昇し、7953万円と過去最高を記録した。同調査を始めた1973年以降、年度の上半期としては最も高くなり、このうち東京23区の平均価格は、1億1051万円と、こちらも過去最高を記録している。ここ数年、都心部のマンション価格が異常なまでに高騰しているのは、一体なぜなのか。

「大きく分けて2つの要因があります。1つはマンションを作る原価、つまりコストが上がっていること。もう1つは、マンションを購入する層が変わってきたことです」

 そう話すのは、『なぜマンションは高騰しているのか』(祥伝社新書)の著者で不動産事業プロデューサーの牧野知弘氏だ。

「コストについては、都心部は地価も上がっていますが、それ以上に建設費が非常に高騰しています。ここ数年で3割、肌感覚では4割近く上がっています。建築費がこれだけ上がるとデベロッパーの原価も必然的に上がってしまいます」

 近年、マンションを作る原価が上がっている背景には、さまざまな要因が絡んでいる。

「まず、建築資材のほとんどが輸入品であること。アジア経済が好調なため、建築資材自体の価格が上がっています。次に、半導体不足。住宅設備にも半導体が使われているため、例えば給湯器などの価格が高騰しています。輸入品が多いということは、輸送コストにも影響します。運賃が上がり、仕入れ価格が高騰している上に、円安がさらに追い打ちをかけています。