面白いヤツは、たいてい「高卒」!?

田村:子どもに対する教育についても同じことが言えませんか? 海外留学も悪くはありませんが、勉強という方法だけでなく、これからは早い時期に社会に出して経験を積ませたほうが、いいかもしれない。

 シリコンバレーに行くと私はいろんな人に会うんですが、面白いことをやっているのはたいてい高卒の人間なんですよ。さっきのMBAの例ではないですが、もう“待てない”んですよね。それで、いろいろ経験を積んで、本当に勉強したいことができてから、大学に行くというスタンスなんでしょう。

 ウォールストリートジャーナルで読んだんですが、アメリカの大学の学部生って30代前半までが多いそうなんです。日本の大学性は20代前半までがほとんどですよね。

 まあ、もともと向こうは年齢不詳社会ですし、もともとファーストネームでフラットに呼び合っています。飛び級で13歳の学生もいるし、40歳くらいで大学に戻ってきている勉強している人もいる。日本の大学も、もっといろんな人が学びにくる場所になるといいのにな、と思いますよ。

藤野:私もベンチャー・ファイナンスを学ぶために、社会人大学院に通ったことがあります。そのときは60代から20代までいっぱいいて、みんなすごく仲が良くなったんです。いまでも集まって飲み会をやったりしています。その経験からいっても、学ぶ人の年齢や、立場が多様なのはいいことですよ。

田村:多様性から多くのことを学んだり、イノベーションが起きたりしますから。これからの教育で大事なポイントの一つだと思いますね。

藤野:これは一つの提案なんですが、いまの大学って、リベラルアーツをやってから専門過程の教育を同じ大学で受けますよね。でも、これをバラバラにしてしまって、初めから専門教育が受けられるようになると、かなり面白い人材が出てくる気がします。

 東京大学ではリベラルアーツを学んで、東北大学では専門課程を学ぶとか。自由で多様な組合せのなかで学ぶことがスタンダードになったら、学歴社会もなくなっていくし、可能性も広がっていくように思うんです。

田村:それは日本の未来が明るくなりそうですね。

取材・文 /佃俊男
次回の掲載は5/22(水)です。


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