「すでに出来上がっている習慣」に
新習慣をくっつける

 もうひとつの運動を続けるポイントは、「すでに出来上がっている習慣」に、新習慣をくっつけるのです。例えば食後、寝る、歯を磨くなど。私の場合は起床直後や食前食後、コーヒーを入れるときの蒸らすタイミングで数分間、筋トレをしています。

「何回まで頑張ったほうがいいのですか?」とよく質問されるのですが、大切なことは「新しい習慣」を定着させること。個人差が大きく、またその行動内容によっても変わるのですが、目安としておよそ2カ月、60日程度で習慣化されるといわれています。新習慣が定着すると、今度は逆の現状維持バイアスが働き、「やらないと気が済まない」と感じるようになって続けられますよ。

 体が締まってくると、立ち姿がシュッときれいになったり、疲れにくかったりなど、心身のプラスの変化に気づくことも増えると思います。それがさらに習慣を維持する大きなモチベーションになって、まさに正のスパイラルに入るでしょう。

 第2回で述べたように運動をすると海馬の機能が高まりますから、記憶力や思考力が向上し、考えたり判断したりといったこともスムーズにできます。何をするにしてもおっくうになりません。私自身はささやかな自信といいますか、物事に対して「できる」とポジティブに捉えられるようになりました。

血糖値が急上昇すると
空腹感や食べたい欲求が強くなる

 またダイエットにおいて、そして仕事に集中する上でも、食後に血糖値の急上昇をさせないことが大切です。

 なぜなら、食事をすると血糖値が上がる→膵臓(ひぞう)からインスリン(ホルモン)が分泌され、血中の糖を肝臓や筋肉に取り込む→血糖値が下がるのですが、取り込む量にも限界があるため、糖質を食べ過ぎてしまうと血中の余った糖が脂肪細胞に取り込まれて太ってしまうのです。

 また糖質を大量摂取して血糖値が急上昇してしまうと、体は大量のインスリンを分泌して血糖値を抑えようとするため、しばらくすると普段の空腹時血糖値より下がってしまいます。すると空腹感や食べたい欲求がより強く起きたり、イライラや眠気にもつながってしまいます。

食事はベジタブルファーストで
食べ終わった後には運動を

 血糖値急上昇を防ぐため、食事は何があってもベジタブルファーストで。食物繊維が豊富なものを先に食べることで血糖値の急上昇が防げますから、野菜を食べてから魚や肉などのタンパク質、最後に炭水化物(主食)を取るというスタイルを私自身もずっと続けています。

 コンビニで食べるものを買うとしても、ごはんが主体の弁当より、生野菜、魚、ごはんをそれぞれ単品で買う形がお勧めです。これに食前食後の筋トレを組み合わせれば、ダブル効果で太りません。食前に筋トレをすると、その後の食事で糖分が筋肉に取り込まれやすくなります。

 また食後すぐに歩けば血糖値が急上昇しないことが報告されていますから、軽い散歩でもいいでしょう。私は食べ終わった後すぐに筋トレをしますが、血糖値上昇を防げる上、眠気が来なくなって頭がさえます。また筋肉が増えれば糖を取り込む量も増えますから、多少糖質を取っても太らない体になりますね。