図4-5に戻ると、図4-4で示したニートほどではないにせよ、学歴間で差があり、学歴が低いほうが相対的に生活不安定者になりやすいことがわかる。これは主に、不安定雇用や非就業の割合の学歴差に起因している。また、男女で傾向が異なっている。男性ではすべての学歴で、若い世代ほど増えている。1970年代後半生まれの高卒男性では1割を超えており、大卒でも5%程度いる。一方、女性は高卒のみ増加が続いているものの、短大高専卒や大卒では1960年代後半生まれから5%程度でおおむね横ばいとなっており、男女の傾向の違いが目立つ。

 ちなみに、親と同居していない、単身世帯の未婚の不安定雇用・非就業者の人口に占める割合は増えていない。男女ともに晩婚化が進み未婚者の割合が増えていることから、単身者の割合自体は増えているのだが、不安定雇用や低年収の単身者は増えていない。

 30代後半だと親もまだ50~60代であることが多く、生活に困るとまず親を頼って同居することが多いのだろう。しかし、このまま本人が40代、50代となり、高齢となった親が亡くなったり介護が必要になったりすると非常に苦しい状況に置かれることが懸念される。