そうですね……正直言うと、僕も迷いながらやっていることが多いですし、「これで良いのかな」と悩む瞬間もあります。ただ、どんな状況でも、「その日」は絶対に来るんですよね。

――期限や締め切りが迫ってくる状況は、どんな仕事にも共通しますよね。

 そう、逃げられない(笑)。なので最終的には「やるしかない」と覚悟を決める。その時に僕が大切にしているのは、「自分が信じてやってきたことを最後まで貫く」ことです。それが自分なりの逆境の乗り越え方かなと思っています。

 この仕事も気づけば15年目ですが、最初の頃はあまり仕事がなくて……。台本を読んで「こういうシーンにしたい」「こういう表情で役柄の気持ちを表現したい」とイメージしたことが、実際に映像として形になり、それが「伝わっている」と実感できた瞬間は、大きな喜びです。

 もっとこうすれば良かったなと反省することも多いですけど、それも俳優としての挑戦の一部ですよね。カチンコの音が鳴る瞬間の独特な緊張感も好きです。チーム全員で作品を一緒に作り上げていくのが、この仕事の醍醐味だと思っています。

「このままでいいのかな…」仕事の逆境、どう乗り越える?→『サラリーマン金太郎』ならこう答える!鈴木伸之(1992年生まれ、神奈川県出身)。2010年、「第3回劇団EXILEオーディション」に合格し、俳優活動を開始。同年、舞台「ろくでなしBLUES」でデビューし、映画『桐島、部活やめるってよ』(2012)でスクリーン初出演を果たす。ドラマ「GTO」(2012)で注目を集め、「HIGH&LOW」シリーズ(2015〜)では山王連合会のヤマト役としてTV・映画に出演。2022年には「自転車屋さんの高橋くん」エンディング曲「フタリノリ」で歌手デビューし、2024年には初のミニアルバム「Action」をリリース。近年の主な出演作に『今日から俺は‼劇場版』(2020)、『東京リベンジャーズ』(2021)、「バントマン」(2024)などがある。 カメラマン:山本陸 ヘアメイク:シモカワシンヤ スタイリスト:中瀬 拓外

余裕がないと煮詰まるけれど…
苦しむプロセスも大事

――理想の自分に近づくために、どんな取り組みをされていますか?