どんなに仕事で成果を出しても、周りから「評価」されなければ無意味である……あなたも、自分より能力が低い人がなぜか上司から高く評価されていて、イラッとした経験があるはず。ではこのような「なぜか評価される人」の“戦略”を、あなたは知っているだろうか。新刊『雑用は上司の隣でやりなさい』は「周りに実力を“評価させる”戦略」を初めて言語化した歴史的な一冊だ。職場で「実力を適切にアピールする「見せ方」の技術」をまとめた本書は、発売直後から賛否両論を巻き起こし、「こんな本が30年前に欲しかった」「人間の深層心理を突いている」「上司サイドにも対策が必要」などと話題沸騰中である。今回はその中から「出世する人の特徴」についてお伝えする。

職場にいる「言い訳する人」は逆に出世する!?出世する人だけがやっている「うまい言い訳」の正体Photo: Adobe Stock

出世する人の「上司対策」の正体

みなさんは、職場で上司に「あの仕事、どうなった?」と聞かれることはありますか。僕は若手の時は仕事の要領がとても悪い銀行員だったので、上司からは毎日のように「あれ、どうなってんだ!?」と聞かれ、咄嗟に「今、やってます!」と答えてしまい上司からは「そんなことは分かってるんだ!!」と更に怒りを買ってしまったトラウマがあります。

そうは言っても、仕事はなかなか予定通りに終わるものではありませんよね。そこで、職場の出世する人はこういった、上司から「あれどうなった?」と聞かれたときのために、ある「備え」をしています。今回は出世を左右するこの「備え」の正体について、紹介していきましょう。

「言い訳」は事前に用意しておく

たとえば、前回記事で紹介したように、上司に対して「いつ終わります!」のように答えるとしましょう。これは以前の記事でも書きましたが、ギリギリの回答と言えます。

しかし、この回答で上司が満足できない可能性もあることには注意が必要です。というのも、上司が進捗を聞いてくるということはすでに終わっててもおかしくないと上司が思っているからです。なので、第一の回答はいつまでに終わるのかが正解ですが、二の矢として、なぜ終わってないのかも回答する準備をしなければなりません。

そこで、職場で出世する人は、上司が納得できるような「言い訳」を事前に用意しています。「何か突発的に別の業務が入った」のか、「そもそも、何かに手こずった」のであれば、「上司に伝えることリスト」を頭に作っておいて、それを伝えるように意識するのです。その場しのぎで考えた言い訳よりも、事前に考えておいた言い訳のほうが、心理的にも落ち着いて答えられますし、内容の精度も高くなりやすいです。

上司はあなたを「勝手に減点」している

上司はあなたよりは優秀かもしれませんが、あなたが何につまずいているのかまでは即座に把握できないものです。

逆に言えば、この回答を通じて、上司に「今回をきっかけに部下の課題を見つけることができた」と思わせてしまえばよいのです。こう言ったタイミングを逃さずに、上司との認識のギャップを埋めることで、あなたのことを正しく理解してもらうことでなるべく黄色信号を青信号に戻せるようにしてみましょう。

職場においては、上司や部下が実際にどう話しているかとは別に、「心の中で減点されている」=サイレント減点が起きている可能性があります。このサイレント減点をできるだけ減らすことが、職場でコスパよく過ごしていくうえで重要です。

(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』に関する書き下ろし原稿です)