実は三大商社の一つだったことが分かり、再び会議で「実はこのアパレルブランドの親会社は○○物産なのです」と述べました。すると皆が「おぉ、それはいいところと取り組みができるんだな」と感心し、コラボに前向きになってくれました。

 自分のルールだけで、自分の思いだけで働きかけない。「他者の状況を理解する」という意味が何となく伝わりましたでしょうか。

上司に声をかけるタイミングも
想像力を働かせる

 タイミングも重要です。

 企画を提案する際、上司に声をかける際に、いつも朝イチだと機嫌が悪い人であればその時間帯を避けたほうがいいでしょう。飲みに行かれる前の夕方、ウキウキしたタイミングで声をかけるなど(笑)、工夫してください。そう言うと何だかテクニック論みたいなのですが、私はこれも「他者を尊重する行為」だと思います。

 その根底には、仕事に対する“熱い思い”があります。私ならお客様から愛されるドムドムハンバーガー店を作りたいですし、そこで働くスタッフもやりがいと充実感を持って業務に取り組んでほしい。その思いをかなえるために日々準備をし、いい準備をするためには他者への想像力が必要ということです。

事前に準備することは
相手をリスペクトする行為

 これは社内外、問いません。

 例えば私はありがたいことに多くのメディアの方から取材を申し込まれますが、仕事ができる方は事前にドムドムハンバーガーを食べてきたり、私の本を読んできてくれたりするのです。それは相手をリスペクトする行為でしょう。私を、ドムドムを知ろうと準備をしてきてくださる。素晴らしい、ありがたいと感じます。

 一方で私も取材前は事前に質問事項をいただければ、自分の考えをまとめて準備万端で臨みます。それぞれが仕事への熱い思いを持ち、準備をして向き合ったとき、そこにおのずといい結果がついてくるように思います。

>>第2回は2月12日(水)に配信予定です