過去最高の営業収入となった
JR西日本のモビリティ事業
JR西日本の営業収益は前年同期比4.3%増の約1兆2457億円。セグメント別にみるとモビリティ業が同5.9%増の約7701億円、不動産業が同7.8%増の約1684億円、流通業が同6.2%増の約1576億円だった。モビリティ業は、北陸新幹線の敦賀開業と行楽シーズンの需要増で四半期としては過去最高の運輸収入を記録した。
新幹線の運輸収入は前年同期比14.4%の大幅増となる約3848億円。在来線定期収入は0.2%増の約974億円、うち近畿圏が2%増の約818億円、その他地域が8.2%減の156億円だった。定期外は3.7%減の1917億円、うち近畿圏が5.3%増の約1480億円、その他地域が25.3%減の437億円だった。
定期外のその他地域が減収となったのは、北陸新幹線の延伸開業で北陸本線敦賀~金沢間が経営分離された影響だ。稼ぎ頭だった在来線特急「サンダーバード」が運行区間を短縮したため、料金収入を含む定期外運輸収入が減少した。ただし、新幹線の増収はそれ以上なので、運輸収入合計では約6328億円から約6739億円へと6.5%増加した。
営業利益は、前年同期比1.7%増の約1753億円で、2018年度の約1797億円に肉薄した。セグメント別にみるとモビリティ業が同11.3%増の約1293億円、不動産業が7.4%減の約320億円、流通業が同10.3%増の約125億円だった。
モビリティ業と流通業は二桁以上の増加だが、旅行・地域ソリューション業(表ではその他に含めた)は自治体からのコロナ関係受託事業の反動減で大幅な減収減益になった影響で、全体では微増にとどまった。
不動産業が減益となったのは、大阪駅北口「うめきた」に接続する駅ビル「イノゲート大阪」の開業(2024年7月)に伴う経費の増加によるもの。また第4四半期は既存ビルの修繕などによる費用増を見込む。
3月に「うめきたグリーンプレイス」、広島駅南口新駅ビル「minamoa(ミナモア)」が開業予定で、さらに三ノ宮駅ビル(2029年度完成予定)などの大型物件も控えている。インバウンド需要でホテル業も好調であり、今後は非鉄道事業の拡大が期待される。