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JR西日本は1月31日、JR東日本とJR東海は2月3日に第3四半期決算を発表した。各社とも増収増益となり、コロナ前に匹敵する数字も散見される。個別の数字を見ていこう。(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)
JR東日本の営業利益は
前年同期比18.1%増の大幅増益
JR東日本の営業収益は前年同期比6.2%増の約2兆1261億円。セグメント別にみると運輸業が同5.6%増の約1兆4519億円、不動産・ホテル業が同7.6%増の約3127億円、流通・サービス業が同7.4%増の約2926億円だった。
鉄道業に注目すると、新幹線は北陸新幹線の敦賀開業の影響もあり、運輸収入は前年同期比8.7%増の約4383億円だった。消費税率改定を挟むため単純比較はできないが、対2018年度同期(約4522億円)で約97%の水準まで回復している。
在来線では、定期収入は同2.7%増の3079億円だった。2023年度の定期輸送量は各四半期とも対2018年度で81~82%の水準だったが、2024年度は同83~84%で推移している。コロナ禍当初の想定より回復が進んでいる格好だ。
定期外利用は引き続き好調で、定期外収入は同5.4%増の約5880億円で、2018年度の約5906億円にほぼ並んだ。輸送量は2018年度の約300億人キロを超える302億人キロだった。
営業利益は前年同期比18.1%増の約3526億円と大幅な増益となった。セグメント別にみると、運輸業が同22.9%増の約2085億円、不動産・ホテル業が13.8%増の約869億円、流通・サービス業が同18.6増の約449億円だった。
運輸業が営業収益に対して大きく増益したのは、鉄道業は固定費が大きいため、利用が損益分岐点を超えると利益が伸びるからだ。同社は2026年3月に改定率7.1%、増収率5.0%(増収額年881億円)の運賃改定を申請中であり、認可されれば回復が遅れていた鉄道業の収支改善がようやくJR東海、JR西日本に追い付きそうだ。
流通・サービス業、不動産・ホテル業は、駅ビル、エキナカ事業が好調で大きな増益となった。高輪ゲートウェイシティの一部区画は3月にまちびらきを迎え、2026年3月には残る区画と、大井町駅に隣接する「大井町トラックス」が開業予定だ。JR東日本は鉄道と非鉄道業の売上高を5対5に引き上げる目標を掲げており、本格的な開業ラッシュがいよいよ始まる。