「議員としても帰りたかったけど、警察が帰らさないような行動をしてきたから帰らなかっただけでね。除名にされたのと同時に逮捕状が出るって、完全に『あなたたち結託してるでしょう』って。除名に対しては憲法違反で訴える。弁護士さんとも話しているし。別に議員の仕事に執着があるわけではなく、おかしな形で除名させられているのが納得いかないっていうことです。警察にも弁護士同行のもとであれば聴取受けますよということは何度も言いました。あとはZoomでもできるじゃないですか。Zoomでやりましょうよと。そのかわり、こっちも流しますと。でも現場の刑事さんには全部断られたって状況です」
有名人を名指しで暴露する
ガーシーが語る民主主義とは
動画でお馴染みのまくし立てるような関西弁で、かつて名指しで暴露動画を作った楽天創業者の三木谷浩史、東谷を刑事告訴したドワンゴ顧問の川上量生らを「既得権益」を持った者が警察に通じているとして名指しで批判を繰り広げる。自身の除名については違憲の可能性があるから訴訟を提起するのだとも語った。彼は真実を語っている自分が国策捜査と戦い、既得権益から追い込まれているという主張を最後まで繰り返すのだ。私にはその強気な姿勢はそのまま「ガーシー」の支持者に見せたい姿であるように見えた。では少なくとも一度は公人となった「東谷義和」にとって、民主主義とはなにか。答えはこうだった。

「民衆のためにある主義が民主主義やって思ってるから。選んでくれた30万人の有権者がいるのに、参議院のお爺ちゃんたちが反対しただけで除名にするのはもう民主主義じゃないって。日本はどこまでも資本主義なんやろうなと。お金を持ってる人、権力者が既得権益を持っていて、お金のない人、弱者といわれる人たちはどんどんダメになっていく」
この言葉を聞いた時、私は東谷をめぐる問題の核心が見えてきたように思えた。彼の言葉は、閉じられた支持者には届くのかもしれないが、その外には届くだけの強度を持っていない。
2023年6月4日、東谷はUAEから帰国後、即座に逮捕され刑事事件の裁きを待つ側に回った。俳優の綾野剛らを対象に繰り広げたネット上の暴露行為が暴力行為等処罰法違反(常習的脅迫)や名誉毀損容疑などに問われることになり、取り調べを受ける刑事事件の当事者となった。