また、パスタは時短レシピも充実している。耐熱ボウルにパスタ、水、具、調味料、を入れてレンチンするだけである。
なお筆者がよく作るのはトマトとバジルの冷製パスタや、カニ味噌のクリームパスタ、マヨネーズをぶちゅーっとやるけど仕上がりはマヨネーズの気配が一切感じられないナポリタンなどである。どれも手軽ですこぶるおいしい。
「つるとんたん」のおしゃれニューに郷愁を覚え
ダシの味にホッとする
日本人の喜びとダシ探求の浪漫――うどん
次に勧めたいのはうどんである。これも値段はピンキリだが、安いものだと110円~130円強、ちょっといいので200円~300円が1食あたりの値段となりそうである(もちろん業務スーパーでの冷凍うどんなどはこの限りではない)。
うどんは汁物であるゆえ、追加の味噌汁を必要としないので、その分コスパもよくなる。
コメと味噌汁の組み合わせはたしかに最高で、味噌汁ぶっかけご飯は食の真髄に触れる崇高な食事作法であるとすら個人的に思っているが、それとほぼ同様の体験を、どんぶり一杯で完結させようという前提のもと供されるのがうどんであり、筆者は、歳のせい(44歳)だろうか、最近はうどんを食べるたびに「日本人でよかった」と嘆息させられている。それくらいの存在感を放つ日本食、それがうどんである。
うどんはやはり伝統的な和の味付けが合うが、洋や中を絡めた味付けも成立しやすく、その柔軟性は都内などの盛り場に成功したおしゃれうどん屋がニョキニョキ建っていることからも伝わってくる。
少しおしゃれなアレンジうどんを食べたい時はレシピを検索すれば自ずと見つかるし、移転前の六本木店の個室になぜか風呂があることで有名だった人気うどん店「つるとんたん」などのおしゃれなメニューを見て、レシピへの創作意欲を刺激するのもいいであろう。
おろそかにしたくないのはうどんのつゆ、ダシ(出汁)である。つゆはイチからきちんとダシを取るのが当然本格的なのだが、粉末をお湯に混ぜるだけのタイプのものもたくさん市販されていて、これがかなりおいしい。
自分にとっての至高の粉末ダシを探す行程は、美食を求める浪漫の旅のようで、歳甲斐もなく心躍らされるものである。