コスパについて比較するために、茶わん1杯のご飯の値段を紹介しておきたい。農水省が発表しているデータによると、ご飯1杯を精米65グラムと仮定し、昨年12月時点のコメの平均価格に照らし合わせて算出したところ、茶わん1杯のコメの値段は約45円となった。
一方パスタはいくらか。パスタも最近のコスト高のあおりを受けて2割程度値上がりしていて、2割は大きな上昇だがコメに比べるとまだ緩やかに見える。乾パスタ(お湯でゆでるタイプ)で1食100グラムとすると、国内スーパーには大抵置いてある「マ・マー」で70円台後半〜100円前後と出た。乾パスタは小売店によって値が結構大きく異なるし、ブランドによってその差はさらに大きくなる。たとえばAmazonで売れ筋のトルコ産スパゲティなどを見ると、1食あたり37円程度である。
であるから、結論としてはコメより安くも高くもなり得るのがパスタである。
「バター醤油」に「梅じそ昆布」
イタリアの郷土料理なのに和風の味付けが合う
パスタが強いのは、イタリアからやってきたちょっと洒落た食べ物と見せかけておいて、和風の味付けがものすごく合うところである。例えばパスタ人気チェーンの「洋麺屋 五右衛門」のメニューを見てみると、ミートソース、ペペロンチーノ、カルボナーラといった伝統的ラインナップに並んで、「五右衛門オリジナル」として和風バター醤油、なめ茸おろし、胡麻ダレ仕立て、梅じそ昆布、たらこのバター風味など、和風の味付けの品々がこれでもかと並ぶ。
今まさにメニューを見ながらこれを書いているが垂涎を禁じ得ず、この食欲の高ぶりをシェアしたいのでリンクを貼っておく。ぜひ参照されたい。
参考)「洋麺屋 五右衛門」メニュー
味の方向は洋も和も自由自在のパスタだが、調理が楽なのも嬉しい。コメは現代だと炊飯器で炊くのが一般的だが、さあいよいよ食事だというときにコメを炊き忘れていたことに気づいたときの絶望感と、パスタは無縁である(そうと気付いてコメを炊き、炊きあがるのを待つまでの永遠に等しい時間はコメならではの趣きともいえる)。鍋に湯を張って5分前後ゆでればよく、最近は水と乾パスタを入れて蓋してレンジでチンするだけでもっちもちパスタが茹で上がるタッパー型のケースなども、各メーカーがこぞって販売している。