重要テーマは「文理融合」
海外経験がアドバンテージ

 人材という意味では、「『文理融合』は依然として重要なテーマであり、技術の知識とビジネスの知識をうまく組み合わせる力が求められている」(長内氏)。

 文系は技術への理解を深め、理系はビジネスに対する関心を高め、これらをうまく統合できる能力が今後さらに価値を持つようになる。

 特に、リスキリングブームの中で、技術に興味を持ちビジネスを学びたいという人が増えてきているが、もはや文系・理系という垣根を越えたスキルが求められている。

 技術の知識とビジネスの知識は、今やそれぞれ独立して存在するのではなく、両方の知恵をうまく組み合わせて、適材適所で活用できる力が重要だ。そのためには、文理融合を基盤として、より広い視野を持ち、調整能力を高めることが求められる。

 キャリアアップのために転職する際、企業が重視するポイントは、やはり「自己研鑽」や「実務経験」に関する部分が大きい。

 特に前職での経験や、ビジネススクールなどでの学びが評価される傾向が強くなってきている。自分がどれだけ学び続け、スキルを磨いているかが重要視される時代になってきたと言える。

 特に電機業界では、ポテンシャル採用は徐々に減少し、具体的な能力や経験が問われるようになるだろう。特にグローバルな競争が激化している業界では、求められるスキルや経験が明確であるため、採用の基準も一層厳しくなっていると考えられる。

 日本企業がグローバルビジネスにおいて成功するためには、世界市場での競争力を高めることが重要である。グローバル市場でのビジネス開拓に成功している企業は、規模の経済が効くデジタルビジネスを通じて、利益を生み出せる。

 これに対して、国内市場に依存している企業は、どうしても成長に限界があるため、グローバル化は避けて通れない。

 そのため、就活においても、海外経験が大きなアドバンテージとなる。特に、今の日本の学生は海外に行きたがらない傾向にあるが、学生時代に海外市場を見た経験があれば、グローバルな視野を持つ人材として非常に大きな強みとなる。