ワーストは、某・中国系エアラインです。銀紙に包まれたハンバーガーのようなものが出てきたのですが、味も微妙で、何より香りが独特で。ハンバーガーかどうかも分からない、パンに包まれた何かでした。これが、脂っこくて。世界中の機内食を完食してきた私が、唯一残してしまったものですね。

――機内食ドットコムの口コミ投稿の中で、最も驚いた機内食は何ですか?

 驚いたというか感動したのが、ブリティッシュ・エアウェイズのクリスマスメニューです。これは投稿もありましたし、私自身も体験しました。日本発ロンドン行きのエコノミークラスです。

えっ、自分で作るの?「世界の機内食を知る男」が選んだ「ベスト1&ワースト1」機内食機内食ドットコム

 外資系エアラインは事前にどんなメニューか公開していないことが多いので、乗ってからのお楽しみなのですが、期待以上でした。クリスマスと言えば日本ではチキンですが、機内食では本場さながらの七面鳥を使っていました。これは珍しい。それにデザートのケーキには「メリークリスマス」のプレートが付いていて、狭い機内の中でもクリスマス感を存分に味わえました。

 単純に最もびっくりした投稿は、ルフトハンザドイツ航空のフランクフルト~ドバイ線のもの。まずは、写真を見てください。

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 この路線のフライト時間は6~7時間で、中距離線となり、ルフトハンザ的には力を入れているはず。しかも、ビジネスクラスでこの内容ですよ!?

 というのもこれ、2020年の8月のコロナが猛威を振るっていた時の機内食なんです。ウイルスは人の接触で広がると言われていましたから、調理者の手が触れずに済むパック食品や菓子のみで構成されています。

 水際対策で限られた便数の中、キャビンアテンダントが防護服を着て機内食をサービスしていた時期のものです。あの時しか体験できない貴重な、ある意味で歴史に残る機内食と言えるでしょう。

えっ、自分で作るの?「世界の機内食を知る男」が選んだ「ベスト1&ワースト1」機内食奥井力也(おくい・りきや)/機内食ジャーナリスト。1996年に旅行系ホームページを立ち上げ、2003年に「機内食ドットコム」を開設。著者に「みんなの機内食」(翔泳社)など。