
実は日本の上場企業には「年収1億円以上」のビジネスパーソンが1109人もいる。果たして、どんな顔触れなのだろうか?また、諸外国に比べて低過ぎるという指摘もあるだけに、年収が高いこと自体は批判されるべきではないだろう。ただ、業績や株式市場からの評価が振るわないにもかかわらず、1億円ももらっているのであれば、従業員や株主は心穏やかではいられないかもしれない。そこで、ダイヤモンド編集部では上場企業3935社を対象に、年収1億円以上の経営陣を調査、業界ごとに実名での報酬ランキングを作成した。特集『1億円以上稼ぐ取締役1109人の実名!上場3935社「年収1億円以上幹部」ランキング』(全24回)の#2では、不動産業界のランキングを掲載する。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
不動産業界は年収1億円以上が67人!
大手不動産でも格差が大きい結果に
ネットフリックスで配信され、話題となったドラマ「地面師たち」。ストーリーは実際の事件から着想を得ており、不動産業界に大金が飛び交う様が描かれている。
モデルとなった事件からは、10年近くがたとうとしているが、現在ではさらに不動産価格が高騰。オフィス向けなど大規模開発のみならず、マンションですら都心では庶民の手が届かない水準に達しているのだ。
そんな不動産業界で「年収1億円以上」の経営幹部は、どれほどいて、どんな顔触れなのだろうか?
ダイヤモンド編集部では、経営トップの会長、社長のみならず役員を対象に、1億円以上の高額な年収を受け取っている人物を業界別に集計した。1社から複数人が記載される場合もある。また、本特集では高収入を単純に批判する狙いはない。ランキングには、年収額と併せて、PBR(株価純資産倍率)、ROE(自己資本利益率)、時価総額も掲載しているので、それらに「見合う年収」を得ているかの参考にしてほしい。
集計の結果、不動産業界で年収1億円以上は67人いることが判明した。全業界の平均が33.6人だから、ほぼ倍の水準で多い。トップは、なんと7億円近くももらっていた。そして、財閥系も含めた大手不動産会社の幹部の年収を比較すると、かなり大きな格差があることも明らかに。
三井不動産、三菱地所、住友不動産といったいわゆる財閥系不動産に加えて、野村不動産ホールディングス、オープンハウスグループ、ゴールドクレスト、ヒューリック、シーアールイー、レーサム、飯田グループホールディングス、日本エスコン、FJネクストホールディングス、大東建託、明和地所、東急不動産ホールディングスといった企業の幹部たちは、幾らもらっているのだろうか。全業界の上場企業の平均と比較して水準は高いのだろうか。次ページで実名と共に一挙に見ていこう。