滝沢 たぶんそう。ダブルツッコミにする前は、『爆笑オンエアバトル』も落ちまくってたよね。でも最終的には、チャンピオン大会にも行ってるんじゃないかな(第12回チャンピオン大会、09年4月)。
西堀 やっぱりお笑いの反応って、認知によって全然違うんだなって実感しましたよね。
『レッドカーペット』に出始めたりすると、『オンバト』でも投票のボールが転がってくるんですよ。それまで200いくつだったものが、勝手に500オーバーになって。すげぇ変わったなと思った。
滝沢 『オンバト』のチャンピオン大会に出た記憶がないくらいなんだけど、この頃は自分が何をやってるか分かってなかったかも。いろんな番組でネタばかりやるから。番組収録が1つ終わったら、次のネタを考えて…の繰り返し。
1分のショートネタだから消費が激しいんですよ。5分のネタがあったとして、じゃあそこから1分を取り出そうっていっても、なかなか単純にはできないし。
西堀 当時は、時間配分も決まってたよな。3ツッコミで1分だっけ。
滝沢 えーとね、2、2だよ。合わせて4。
西堀 もう、システマティック。2、2で1分、4回手を挙げれば終わりみたいな(笑)。
滝沢 めっちゃ緊張するんですよ。1分間で全部が終わるから、1回も間違えられないので。

西堀 ドツボにハマる人もいたよね。緊張でネタが飛んじゃって、9回くらい出て、引っ込んでを繰り返して、やっとできたっていうコンビもいて。ああいうのを見ると、トラウマになってくるんですよ。今だったら「別に間違ったっていいじゃん」と思うけど、当時はやっぱりそんなふうには思えないですよね。
滝沢 U字工事が「ネタ飛ばしました」って、真っ青な顔で帰ってきたこともあったな。
西堀 今40代半ばくらいの芸人は、みんな大体30代。そう考えたら、当時のメンバーって結構辞めずにやってますね。小さいながらも成功体験って、1度経験すると一生引きずっちゃう。ウケないから辞めるって、納得のいく理由じゃないですか。
ウケたことがあるっていうのは、その後の腐りの始まりというか、ある意味、十字架でもありますよね。お笑いをやって、ウケて、金をもらうってことを1度でも知ってしまうと、まともに働けなくなるという。もともとそういう人の集まりなんですけど、それは後の人生に関わってきますよね。