付け加えると、生徒たちはかばんを持つことが禁止されているので、午前の授業に必要な教科書、ノート、パソコンを脇に抱えながら教室に行きます。授業は1コマ40分ですが、授業と授業の間は5分しかなく、教科ごとに建物が違うので、時には駆け足になることも。もちろん、途中で先生に会おうものなら、ストローハットを指で上げるしぐさ(編集部注/校長や先生に会った際に行うハロウ校のマナー)を優雅にしなければなりません。
一日中、分刻みの
スケジュールをこなす
「授業は午前中に3クラス、11時に休憩です」。
この休憩は20分間あるので、生徒はハウスに戻ったり、生徒専用のカフェに行って、それぞれ一休みできます。アイスを食べてもOK。この生徒専用のカフェは先生が入れませんので、生徒にとっては、ほっとする憩いの場でもあるのでしょう。
この中休み後には昼食までにもう2クラスあります。ブランドン君いわく、「午前中に授業が多くて大変です。昼食休憩は12時50分から2時25分まで。時間があるようですが、実際は食堂が1時30分には閉まるので、片付けも考えると20分以内に食べないといけないのです。まるで軍隊みたいです」。
もちろん、午後は午後で大忙しです。午後は授業以外に曜日によってはスポーツやCCF、社会奉仕活動をし、少しの自由時間ののち、午後6時から7時の間に夕食となります。
ちなみに、CCFとはイギリス連合将校養成隊という課外授業の略称です。男女を問わず、多くのイギリスのパブリック・スクールでCCFが準備されており、ブランドン君のハロウ校でも盛んで、半年間は必修となっています。CCFは、隊列の編成、行進の練習、ライフルの分解、弾丸装填、射撃、野営の仕方といった生き延びるためのサバイバル実践教育を受ける授業となっており、非常にタフな訓練もあり、軍靴と迷彩服で身を固めなければなりません。
ライフルの指導は、陸、海、空軍所属の職業軍人が教えることになります。浦沢直樹作画、浦沢直樹・勝鹿北星・長崎尚志脚本の『MASTERキートン』に出てくるイギリス軍特殊空挺部隊(SAS)を思い出しますね。