ヤマハのサウンドマイスター、すごい方です

五:すごい方ですよ。音づくりにかける情熱がハンパじゃない。メチャ細かいことまで踏み込んでくる。驚いたのが、「エアコンを入れると音が変わる」ということです。微細な吹き出し音が被さって、特定の周波数が聞こえなくなってしまう、と。

F:音のためには夏でもエアコンをつけるな、と(笑)

五:さすがにそれはできないので、補正をかけて(笑)。

F:面白い面白い。その方にぜひお話を伺いたいです。ご紹介いただけませんか?

五:紹介することはもちろん可能ですよ。ヤマハさんに聞いてみます。

 不肖フェルの父親はオーディオ好きで、中学生の私に「これで音楽を聞きなさい」とYAMAHAのナントカ1000という黒いスピーカーを買い与えてくれた。「海外の放送局で使っているのと同じ仕様だ」と自慢気に話していた記憶がある。インタビューが実現した際には、番外編としてお送りしようと思います。

カーオーディオにはノイズキャンセルを載せていない

F:アウトランダーのオーディオは、もちろんノイズキャンセリングシステム込みですよね。

五:いえ。ノイキャンは付けていません。アウトランダーは元々静かなんです。足りない分はいろいろ貼り物をして、音の侵入を防いでいます。

F:ノイキャン全盛のこの時代に。

五:確かに採用するクルマがどんどん増えてきましたね。各社ともやり始めているのは事実です。ですが、なかなか難しい技術だとは思いますよ。ノイズキャンセリングは「逆位相をかければ音は消える」という理論で成り立っていますが、では中で人が動いたらどうなるのか。ヘッドホンやイヤホンなら良いですが、“車内空間”という環境を考えると、実はなかなか難しい技術だと思います。