F:しかし五味さんは音にお詳しいですね。
五:はい。入社した時はオーディオの設計をやっていたので。
F:なんと。三菱だとダイヤトーンを使うのでしょうか。
五:ダイヤトーンではなく、ロックフォード・フォズゲートというアメリカのブランドを扱っていました。
F:なるほど。だから音にお詳しいんだ……と、話をクルマ本体に戻しましょう。アウトランダーの乗り心地、本当に良いですよね。国産SUVでは間違いなく最高レベル。「高級車」の風合いすらある。

乗り心地の「高級感」「プレミアム感」とはどこから来るのか
五:そう言っていただけると本当にありがたいです。プレミアム感を感じるでしょう。
F:その「良さ」というのは、どうやって造り込んでいったのでしょう。「こうしたから良くなった」と言葉にすることはできますか?
五:正直に申し上げると、これを言葉にするのは非常に難しいです。「プレミアム感のあるフィーリング」はどこから来るのか?その議論を、まさに今社内で一生懸命やっている最中です。最中なんですが、なかなか「これ」という回答が出てこない。社内ではまず「乗り心地を良くしよう」という観点でずっとやってきました。具体的に言うと、前のアウトランダーは、高速の段差などで微細ですがコツンと突き上げてくる感覚があった。そういう細かな点を消していきました。荒れた路面でもコツンコツンしない。全体的にプレミアム感が出るように、“しっとり”乗れるようにはセッティングしていきました。
F:先程から五味さんは「プレミアム」という言葉を多く使われていますが、三菱自動車はプレミアムブランドになりたいのですか?