「クルマ好きの聖地」大黒PAは、いくら取り締まっても意味がない!決定的な構造問題とは?Photo:PIXTA

激安で首都高を走れて駐車料金も掛からない

 何より大黒PAは地理的、構造的にクルマが集まりやすい特徴があります。かつて首都高速は固定料金でしたが、今は従量制で走った距離分の料金を支払います。しかしETC使用、一筆書きで走行した場合は最低料金の300円で利用できるルートもあります。大黒PAを利用後、湾岸線は西にも東にも行けるので、上手にルート設定すれば激安料金で首都高を走れて、PAならば駐車料金も掛かりません。

 クルマ好きが夜な夜などこかに集まる現象は、今に始まったことではありません。なんで昼間じゃないのかって? 昼間は仕事や学校がありますし、そもそも道が混んでいて運転してもあまり楽しくありません。夜になれば道路も空くので、自然とクルマ好きが集まるものなのです。

大黒PA大黒PA Photo:PIXTA

 今では考えられないでしょうが、東京の青山通りにゼロヨンやるために集まったり(筆者が免許を取る前のスーパーカーという言葉が生まれた1970年代後半くらい)、東京近郊の峠道(国道20号線の大垂水峠など)にドリフトやるために集まったり、はたまた千葉の幕張にある美浜大橋にはナンパのために男女それぞれのクルマが集まったり……といった歴史があるのです。

 こうした行為は世界中で見受けられます。どこの国でも、クルマ好きや男女が同じようなことをやっているのです(宗教的な締め付けや厳しい法規制がある国を除く)。ある意味、このように集まれているうちはまだ平和で、自由があるということなのかもしれません。