1981年発売の2代目も、同様にアウディベース。

 1988年に登場した3代目で、ようやくフォルクスワーゲン独自のプラットフォーム採用となり、エンジンが横置きに。アウディとの姉妹関係を決別した……と思いきや、1996年登場の4代目で、またもやアウディA4と共用のプラットフォームとなり、2005年の5代目でまたまたフォルクスワーゲン独自のプラットフォームに戻ることになる。

 行ったり来たりすれ違い。私待つわ。いつまでも待つわ……あみんもかくやの歴史を持つクルマがパサートである。

 なお、フォルクスワーゲングループのMQBプラットフォームの登場以降は、フォルクスワーゲンとアウディの小型車はすべてプラットフォームを共用している。

新型パサートはワゴンのみ、パワートレインは3種類

 さて、最新型のパサートである。

 散々書き尽くされていることで、読者諸兄は先刻ご承知ではあろうが改めて。新型パサートにセダンはない。本国でも日本でも、先代まで“ヴァリアント”と呼ばれていたステーションワゴンだけだ。新型パサートはイコールでワゴンボディ。長く親しんだ“ヴァリアント”の名前は消滅した。

 パサートはなぜセダンボディを廃止したのか。その背景はインポーターインタビューの際に詳しく聞くことにしよう。

 新型パサートは2019年登場の8代目ゴルフで初採用された、MQBプラットフォームの進化版である「MQB evo」が採用されている。フォルクスワーゲンだと他にはティグアンに、アウディにはA3にこのプラットフォームが採用されている。

 パワートレインは3種類ある。

(1)高効率な1.5Lガソリンターボエンジンに、マイルドハイブリッドの組み合わせ。
(2)最新世代の2Lクリーンディーゼルターボエンジン。このモデルにはフルタイム4WDシステムが組み合わされている。
(3)1.5L ガソリンターボエンジン+プラグインハイブリッド(PHEV)

 今回はこの中から、(3)PHEVモデルを選んで試乗した。