中道とは八正道に基づいて生きること

昨年からご紹介してきた受賞作品も、これで最後となります。
高みを望めば首がこるうつむき過ぎると壁にあたる何でもほどほど水平がよい
「ここより賞」を受賞した曹洞宗・宗岳寺(熊本市中央区)の作品、講評は次のようなものとなりました。
ご住職の人柄が伝わってくるような迫力を感じ、選出いたしました。「中道」をわかりやすく説いているうえに、情景が浮かんでくるような描写力。そしてなんといっても、手書きならではの「肉筆感」が圧倒的でした。
「何事もほどほどが良い」ということをうまい例えで教えてくれる掲示板です。お釈迦さまも極端な行為を戒めておられます。仏教伝道協会が発行する『仏教聖典』の中に収められた『転法輪経』の中に、以下の文言があります。
道を修めるものとして、避けなければならない二つの偏った生活がある。その一は、欲に負けて、欲にふける卑しい生活であり、その二は、いたずらに自分の心身の責めさいなむ苦行の生活である
苦行を戒めておられるのは、先述した経験から来ているのでしょう。このように極端な行為を避けることを「中道」といいます。ただし、極端を避けるというのは非常に難しく、そのためには常に客観的に自分の言動や生き方を省みる必要があります。
私たちは気づかないうちに極端に振れることがあります。お釈迦さまは、「中道とは八正道に基づいて生きること」ともおっしゃっておられます。仏教の教えを通して、自分の行いが正しいかどうかをどのようなときにも見つめなおすことが大切なのではないでしょうか。
これで2024年受賞作品のご紹介は終了です。25年も7月1日から応募の受け付けが始まります。4月1日以降に撮影された写真が有効ですので、見かけた掲示板を忘れずに撮影しておいてください。皆さまからのたくさんのご応募をお待ちいたしております。