
朝ドラの仕事を通じて
以前より「切り替え上手になった」
――『あんぱん』のトークショーで、嵩役の北村匠海さんが「好きなパンは?」という質問で「食パン」と答え、あとで「フライパンと言えばよかった」と反省しているのが印象的でした。今田さんは自分の言動を検証しますか。
お芝居でも、日々、あのときこうすればよかったと、いろいろ思います。けれど気持ちの切り替えは早いほうです。終わってしまったことを引きずらないようにしています。
それこそ朝ドラは、とても速いスピードで撮っていくんですよ。それも、まったく違う場面を続けて撮るので、気持ちを引きずっている余裕がないんです。
もともと引きずらないタイプではありますが、朝ドラに入ってより切り替え上手になった気がします。
――今田さんの代表作のひとつ『花咲舞が黙ってない』(日本テレビ)は「お言葉を返すようですが」が決めセリフの忖度しないキャラクターでした。「あんぱん」ののぶも思ったことをはっきり言う人という印象です。今田さん自身はいかがですか。
自分が演じてきたお仕事ドラマの登場人物たちのようにはっきりは言えないです。それぞれの言い分を受け止めて、自分の中に落とし込める人でありたいと心がけています。
それでもどうしても気になることがあったら、伝え方に配慮しながら話し合うことも大事だとは思います。
――現場で自らアイデアや意見を出したりもしますか。
『あんぱん』の現場では、日々、ディスカッションが行われています。みんなで意見をいろいろ言い合いながら、前向きにいいものを作ろうとしていて。目指すゴールが同じであることを感じます。
撮影は集団作業ですし、現場によっては、たまにピリッとする瞬間もあるものですが、『あんぱん』の現場にはそれがないです。お互いをリスペクトしているからこそ、いい空気感になるのだろうと思います。